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クロノブックス

ひたすら読書記録と初心者アロマ日記。
オススメ本には★マーク。
九十九怪談 第二夜
九十九怪談 第二夜
九十九怪談 第二夜
木原 浩勝


本を読む人種には二種類ある。
トイレで本を読む人と、トイレで本を読まない人だ。
とまあ、何の話やらなんだけど。

「新耳袋」が好きで、その系譜の実話怪談系だということで読んでみた。
確かに傾向もスタイルも似ている。
けれど、微妙に違う。

「新耳袋」は夜にトイレで読むと後悔する本。
「九十九怪談」は夜中にトイレで読んでも平気な本。

どこがどう違うと問われてもはっきり答えられないが、私の中では恐怖という感情が明確にそこを切り分けた。
正直、怪談としてはちょっと物足りない。

一巻にあたる第一夜を飛ばして第二夜から読んでしまった(でも短編連作なので問題ないだろう)ので、そっちの怖さを確認してはいない。
いずれ読もう。
| ミステリ・恋愛・その他小説(日本) | 17:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽
ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)
ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)
ブランドン サンダースン,Brandon Sanderson,金子 司


シンデレラストーリーはいつだって心躍らされるし、変身譚にはわくわくする。
ピンチにはハラハラするけれど、悪い権力者がこらしめられるのには胸がすく。

そんな爽快感がいろいろ詰まってる。

主人公は社会の底辺から才能を見出されて秘密組織の主要メンバーになった。
今回の任務は地方から来た令嬢をよそおって、貴族たちの中に入り込んで情報を集めることだ。
礼儀も何も知らなかったやせっぽちの小娘が美しく装って、次第に自信を持ってふるまうようになるのは、見ていてとても楽しい。
同時に彼女の合金使いとしての才能が開花していくのも小気味よい。
その課程で手痛い教訓を得ることとなっても。

彼女が貴族社会に足を踏み込んだことで、見えなかった支配者層の様子も読者に届くようになってくる。
貴族が一枚岩というわけではないこと、貴族の中にも現状に疑問を抱くものがあること。
8種類の基本の金属のほかの、特別な金属のこと。支配王のこと。

世界観が特殊なのでややとっつきづらいが、中身はかなりエンターテイメント感が強くて面白い。
革命ものであるような、怪盗ものであるような。
何ジャンルと呼べば良いのか形容に悩む。
| ファンタジー(海外) | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
ころころろ
ころころろ
ころころろ
畠中 恵


「しゃばけ」シリーズ最新刊。
相変わらず安定した面白さ。

今回は「目」にまつわる話。
短編連作の体裁をとりつつも、1冊を通じて1つのテーマが取り扱われ、最終的に繋がったひとつの物語になる。

読み心地の良い、わくわくしながらも穏やかになれる、そんなシリーズだ。
| ファンタジー(日本) | 22:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
艦長の子
艦長の子 (ハヤカワ文庫SF)
艦長の子 (ハヤカワ文庫SF)
カリン・ロワチー,佐伯経多&新間大悟,嶋田 洋一

「戦いの子」の続編。

過酷な人生を送ってきた前作の主人公とは違い、有名人の息子として生まれ芸能人として育ち、人から見れば何不自由なく育ったライアン。
しかし有名であるがゆえに家から一歩出れば常にマスコミの視線に晒されプライヴァシーはないに等しい。家族関係もぎくしゃくしている。
そんな環境で育った彼にしかわからない苦しみと葛藤。
甘えている、と思えることもある。
けれど彼が味わった苦痛が偽者で、戦場にある苦痛だけが本物であるとは言えないはずだ。

後半、父の戦艦に乗って宇宙に出たライアンは、前作の主人公ジョスに出会い、彼との交流や父との対話、深宇宙でのものの見方を通じて彼なりの結論へと足を踏み出す。
都合よく感じられないこともないが、すがすがしくはある。

いい感じに動き始めてきたところで「続く」なのだけど。

前作「戦いの子」が非常に面白く、主人公ジョスの硬質さが際立っていただけに、ライアンの軟弱さが多少いらだたしくもあった。
個人的には前作の方が好き。

次は「海賊の子」とのこと。
ジョスの、そしてライアンの父の天敵である海賊に育てられた子。
同じ運命をたどるはずだったかもしれない人たちの人生がどう交わるのか。
楽しみだ。
| SF(海外) | 22:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風
アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風
アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風 神林 長平


またしばらく更新まで日が開いてしまった。

アンブロークン アロー。
待ちに待った雪風最新刊。
なのだけど。

読了してしばらく、どう解釈すればいいのかわからなかった。
実のところ今もまだなんだかよくわからない。
「グッドラック」の結末の、あのどうしようもない追い詰められた状況にありながらも不思議と絶望感のない、衝撃的かつ透明で鋭い余韻を残すあのラストシーンが、色々「なかったこと」になっているのが、ほっとするような、残念なような。

ジャムとの戦場の場は惑星フェアリーの空から、概念の世界へ移行しつつある。
雪風は戸惑う人間達を置いて悠々と新しい世界の空を飛んでいる。
私はまだついて行けない。
なんだか雪風に置き去りにされたような気分だ。

空戦シーンが思ったより少なかったのも残念だった。
やっぱり零には雪風のコクピットに乗っていてほしい。
ある意味ではずっと乗っているとも言えるとはいえ。

もう少し時間を置いて、また読んでみたい。
そしたら少しは雪風のいる場所に近づけるだろうか。
| SF(日本) | 21:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
【雑記】マスト買い復刊本
前の記事で「鉄錆廃炎」の完全版刊行を喜んだ。
この漫画は長年の刊行休止で店頭からも姿を消し、入手困難となっていた。
新装丁で入手しやすくなったことが心から嬉しい。
この機会に多くの人の目にとまればいいと思う。

いい作品なのに出版社の都合などで入手が困難になることって少なくない。
そんな作品が、別の出版社から復刊されることになると、既に持っている作品であっても改めて買い揃えたくなってくる。
応援の意味を込めて。

せっかくなので、そんなお勧め復活本をリストアップしてみる。


耽美なわしら〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) 耽美なわしら〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)
耽美なわしら〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) 森 奈津子
耽美なわしら〈2〉 (ハヤカワ文庫JA) 森 奈津子

SF作家としても活躍する森奈津子の作品だからハヤカワから出るのも驚きではないのだが、しかし初めて見たときは「この作品がハヤカワかあ……!」という納得と感嘆を禁じえなかった。
しかし元々はアスカノベルスだっけか、少女小説レーベルから出た作品で、それもなんだか場違い感があった。そのあと一度ソフトカバーで復刊して……最終的にここで文庫に収録された形。どこいってもアウェーな感じは内容的にやむを得ないのかもしれない。
そんな内容は、一言でいえば「セクシャルマイノリティー・ギャグコメディ」。
見た目は兄貴・心はナイーブなゲイの小説家の青年が、ノンセクシュアルで天然の百合少女小説家の美青年への恋心をそっと心に秘めつつ、レズのカルトマンガ家やバイの人気漫画化に囲まればかばかしいトラブルに巻き込まれたり真剣に悩んだりするという、なんかもうほんと常識をかっとばす内容。
セクシャルマイノリティーを題材に取りながら、彼らは自分がゲイやバイであることにまったく引け目も罪悪感も覚えてはいない。それに関してはごくごく当たり前に受け入れた上で、その上で彼らの性的指向ゆえの問題がぶちあげられる。いや、性的指向はこの際副次的な要素でしかない。
問題なのは、性癖ではなく、性格だ。
そう、しみじみ気づいてしまう。
読んでいるうちにあまりのばかばかしさと真剣さに、いろんなことがどうでもよくなってくる。人と違うことがなんだっていうの、というすがすがしいほど堂々とした態度に、些細な悩みなんか悩みでもないような、そんな気持ちにさせてくれる。
こんな風に「小さな悩みなんてどうでもいいような気分」にさせられる作品は、私にとってはこの「耽美なわしら」と「ジョジョの奇妙な冒険」くらいのものだ。今これ並べたことに軽い罪悪感を覚えましたが、でも正反対の方向で実際そうなんだ。
心にもやもやを抱えたときに、是非読んでみて欲しい本。


お嬢さまとお呼び!
お嬢さまとお呼び! 森 奈津子,D.K

森奈津子作品ではこちらも復刊して嬉しかった作品。
学研レモン文庫で出版された少女小説なのだけど、なにしろ主人公が縦ロールにヒラヒラワンピ、一人称「あたくし」の悪役系お嬢様だ。
地味な家来に、学園の王子様や、その王子様にひそかな恋心を抱く柔道部主将、2人の関係を見守る文芸部部長など、アクのつよいレギュラーキャラに、これまた「生徒会長」「オタク」「美少年」などの典型的なゲストキャラが極端な形で絡んでくる。
あと折々に挟み込まれる細かい笑いが世代を感じさせて可笑しいったらない。
70年代〜80年代前半生まれの、当時の少女にお勧め。


西遊妖猿伝 大唐篇 1 (モーニングKCDX)
西遊妖猿伝 大唐篇 1 (モーニングKCDX) 諸星 大二郎

そして漫画ではこれを上げずにはいられない。
諸星大二郎の代表作にしてライフワーク、西遊記を題材に取った一大伝奇。
オリジナルの西遊記とはかなりカラーが異なり、水墨画を思わせる荒削りな筆致のなかに土や闇や根源的なものへの畏れをじっとりと滲ませている。
ある意味、とてもどぎつい。しかし、それが魅力でもある。
影と宿命を背負った孫悟空の人物造形もまた独特だ。
これも連載期間が長かったり掲載誌があちこち変わったりしたせいで、いろんな出版社からいろんなヴァージョンが発売されている。私は潮出版社版で集めたが、全巻そろえるのは結構苦労した。
11年ぶりに連載再開に合わせて大唐篇の既刊分がモーニングKCに収録された。一気読みするのにこれほどの機会はない。
それにしても大唐篇16巻でようやく唐を出て、新たに開始した西域篇でようやく沙悟浄登場ですよ。足掛け25年とのこと。旅の終わりはいったいいつになるのだろう。
不安を抱えつつも、それでもじっくり腰を据えて付き合いたくなる。
そんな大作。


並べてみればいずれも初出から数えればほぼ10年かそれ以上経た復刊作品ばかりとなった。
やっぱ良い本は時間なんか関係ないのだな、と確信して嬉しくなる。

個人的に今ものすごく復刊を望むのは蘇州狐妖記 (トクマ・ノベルズ)
中華ファンタジーの良作。ほのぼのとした作風がなんともすがすがしい。
アンソロジーに収録された短編も含め、どこかで復刊されないものだろうか。

| 【雑記】 | 11:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
鉄錆廃園
愛蔵版 鉄錆廃園 (1) (WINGS COMICS) 愛蔵版 鉄錆廃園 (2) (WINGS COMICS)
愛蔵版 鉄錆廃園 (1) (WINGS COMICS) 華不魅
愛蔵版 鉄錆廃園 (2) (WINGS COMICS) 華不魅

ひさしぶりに行った本屋で発見して目を剥いた。
何年。いったい何年待ったことだろう。
完結しないままの旧版のコミックスは随分前から「絶対に手放さない本」リスト入りしていた。最終話目前のエピソードが雑誌に掲載されたところまでは把握していた。それからずっとずっとささやかな希望を抱いて待ち続けてきた。
まさか、こんな形で改めて手にすることができるとは。
感無量。待っててよかった。

独特の世界観を描出する華不魅の、ハイ・ファンタジーの傑作だ。
多少難解なうえ説明は追々なされるため読み始めた直後は何がなんだかよくわからないが、世界観を理解してくるとぐんぐん引き込まれる。

熱量に満ちた人界と、そこに住まう人間。魔法使いたち。
荒廃した魔界から人間界に流れ込んで人間と対立する魔族たち。
そのいずれにも属さないトゥエの世界はあらゆるものを食い尽くす存在に覆われ、そこから逃れてきたトゥエの民は他の生物と共生する能力を持つ。
既に滅びてしまったとされる、貴金属の肌と貴石の目を持つ古代人種。
古代人種を守るためだけに生み出された守護族。天人。
いくつもの世界と多種多様な種族・異形が入り混じり、渾沌として美しい世界を彩っている。
こんな世界観を他には見たことがない。

そして彼らの愛憎とやさしさが世界を変えてゆく。

あらすじを説明しても固有名詞の乱舞で意味がわからなくなると思うのでやめておく。読めばわかる。
全4巻完結で、3、4巻は7月末の発売とのこと。
未収録の書下ろしが含まれるとのことで、これで完全な形でこの物語を読み終えることができる。どれだけ待ち望んだことか。

ついでに「グラマラス・ゴシップ」も完結した姿で読めたらなんて夢を見ています。
あと10年は待つ。
| 漫画 | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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